Kokocool トロフィ

ご当地 びわ湖を形どった木製トロフィ

滋賀県のプロジェクト Kokocool MOTHER LAKE SELECTION を受賞した企業に送られるトロフィを作成しました。
びわ湖を丸みを帯びたかわいらしい形にデフォルメし、びわ湖の淡い水色をイメージした色漆を塗り、びわ湖の四季を蒔絵師が手描きで描きました。この色漆は受注後に、漆と顔料を調合して作り出したKokocool トロフィのオリジナル色です。

形・色・図柄など、またはその場所で採れる素材などを使って、それぞれのご当地に由来する商品を作ることができます。コンセプトやデザイン案の創出から、お気軽にご相談ください。

TitleKokocool トロフィ
Date2013.03
題目トロフィ/記念品
技法木工/漆塗り/漆蒔絵/ウレタン塗装/UV印刷
素材びわ湖:ヒバ 色漆塗り(蝋色仕上げ)、漆蒔絵
土台:MDF ウレタン塗装、UV印刷
サイズW90 D70 H210 mm
発注者滋賀県
デザイナー森山勝心

統合した伝統工芸の素材と技法

できるだけ滋賀に由来するトロフィーとして、びわ湖部分の木地は滋賀県産の桧を使っています。
塗装は、古名を淡海(あわうみ)とするびわ湖をイメージするブルーの色漆をオリジナルで開発し、塗り上げて蝋色仕上げしました。蝋色仕上げとは、漆の塗面を平坦に研ぎ、生漆を何度も摺リ込んで磨くことで艶を出し、鏡面に仕上げる漆塗り最高級の技法とされています。
漆蒔絵では、白塗料でびわ湖の四季イメージする絵柄を描きました。漆蒔絵とは、最後に金粉を蒔かず漆の色をそのまま出す技法です。ご要望が白色だったため、漆では白が出せないため、代わり白色の塗料を使用しています。

土台部分はMDFを使用して、つなぎ目が目立たないよう留め加工で接合しています。土台部分は、費用を抑えるため、塗装をウレタン塗装を選択しています。その上で文字がはっきり出るように、UV印刷で「Kokocool 2012」と印刷しています。

  1. 木工

    木地は、製品の土台・フレームなどを作る最初の工程です。
    INOUEの木工の基本は、城下町彦根で江戸時代から続く伝統の金仏壇製造で培われた工芸品質です。
    彦根仏壇の木地は、日本建築と同じく釘を使わないホゾ組みを得意としています。材料を吟味し部材の切り出しから継手や面取りに至るまで、妥協のない品質で職人がひとつひとつ手作りする木地は、何世代にも受け継がれる仏壇を支えています。
    INOUEの製造ネットワークは量産が得意な他産地の木工所との繋がりもありますので、プロジェクトに適した木工で対応いたします。

  2. 漆塗り

    漆は非常に高品質で美しい塗装です。ウルシノキの樹液を採取し、ゴミや埃を濾した精製漆が塗装に用いられます。その成分に含まれるウルシオールが空気中の水分と結合し硬化する世界最強の保護塗料のひとつです。
    しかし漆は扱いが難しく、伝統技法で平滑に仕上げるには下地工程から高度な職人技が求められます。下地から上塗りまで何回も塗って研ぐ工程を繰り返して、塗り重ねます。中でも蝋色(ろいろ)仕上げは、漆の塗装面を平坦に研ぎ、生漆を摺リ込みながら何度も磨きあげ、鏡面で奥深い艶を出す漆塗り最高級の技法とされています。
    漆とひとくちに言っても下地の処理から仕上げの方法までさまざまな技法が発展しています。INOUEは仏壇製造で培った漆工への深い知見から、変わり塗り・色漆から最高級の蝋色まで、適した漆塗りの技法とその職人を提案しています。

  3. 色漆

    INOUEの色漆は、天然漆と顔料だけを使って開発したオンリーワンの色漆です。
    色漆は気温や湿度で色のばらつきが出やすく、季節や天候によっては同じ色を出すことは困難です。しかし研究熱心な彦根の漆塗り職人が、800色以上の色見本を作成し、数年試行錯誤の末に作り上げ、安定した色出しに成功しています。
    漆と顔料を混ぜ合わせる調合から行っておりますので、オリジナルの色でご提案できます。ご希望の色があれば出来るだけ近い色を出すことができますので、DICやPANTONEの色見本でご指定くださいませ。ただし、純白など漆の性質上不可能な色もございますので、詳しくはご相談ください。

  4. 蒔絵

    漆で絵や文様を描き、金粉などを蒔きつける漆芸技法を蒔絵(まきえ)と呼びます。広義では螺鈿や切金などを含んだ加飾を概ね蒔絵と呼ぶこともあり、金粉のみで表現したものを特に金蒔絵と呼んで区別することもあります。 蒔絵は日本で生まれ、独自に発展した日本のみに存在する伝統漆工芸技法です。平蒔絵や高蒔絵、さらに平蒔絵を一旦漆で埋め直し砥石や研炭などで蒔絵後の塗面を研ぎ出す研出蒔絵(とぎだしまきえ)など様々な技法が生まれました。さらに蒔き終えた金粉や銀粉の上に透き漆や色漆で塗り固め、研ぎ出して表現したり、金粉や銀粉等の号数による細かさなどの種類によって奥行きを表現したり、多彩な加工手法を駆使する事により表現の幅が時代と共に発展してきました。 また、安価な加工手法として、金粉を蒔いたままの「消し蒔絵」やシルクスクリーン印刷を応用した「スクリーン蒔絵」もあります。 INOUEでは様々な技法を持つ蒔絵職人のネットワークがあり、ご要望に適した技法を手配しております。

  5. 塗装(カシュー・ウレタンなど)

    INOUEでは、伝統工芸の高度な天然漆本堅地をはじめ、同じ漆科のカシュー(和名:勾玉の木)から採れる天然樹脂のカシュー塗料や、合成樹脂のウレタン塗料まで、あらゆる種類の塗装方法を可能としています。
    サイズもコーヒーカップなどの小さなものから建材に使用する大きなものまで幅広く塗装可能です。
    仏壇工芸の要とも言える塗装の品質は、常に厳しい目をもって吟味しています。
    INOUEは、技術力を持った職人のネットワークを有し、あらゆる塗装のご要望にお応えします。